■鬼木監督「問題提起のゲームになるかもしれない」
川崎がこの試合に強い気持ちで挑んだことは間違いない。苦しい状況であっても、試合開催を前提にチーム一丸となって全力で準備をしたからこそ成り立ったゲームだ。そして最後まで走り切ったチームは称えられるべきもので、プライドや意地を見せた90分となった。
現在、多くの試合が中止に追い込まれているように、保健所の判断ではあるが、陽性者が続けばこの試合も中止になる可能性もあった。一方で、保健所の判断とは別に「誤認」という理由で延期となった試合もある。Jリーグの最低開催人数である13人がそろったことでルールを遵守したために浦和―川崎は試合開催となったが、だからといって、これが推奨される形であるわけがない。ルールを守った川崎が損をして、ルールを誤ったチームが得をする状態が許されることは絶対にあってはならない。
この日、横浜F・マリノスが鹿島アントラーズに勝ったため、川崎の優勝争いにおける立場はさらに難しいものとなった。鬼木監督が「問題提起のゲームになるかもしれない」と覚悟をし、プロのプライドを見せた川崎の姿勢をサッカー界が踏みにじっていいわけがない。