■地下鉄の駅からダッシュ

 それで、慌てて博多行きのバスに乗りました。こちらは普通に運航していたのですが、途中で渋滞にはまってしまって博多到着が遅くなり、空港に着いた時には18時を10分ほど過ぎてしまっていました。

 たぶん(いや、絶対)間に合わないでしょう。

 しかし、僕は悪あがきをしてみようと決心。地下鉄の駅からチェックインカウンターまで走りました。しかし、案の定すでにチェックインは締め切られていました。が、「ダメモト」でカウンターに行って事情を説明していたら、係員が「間に合うかもしれない」と言うのです。とりあえずすぐに搭乗券を発行してもらって、女性の地上係員とともに空港内を走りました。手荷物検査も最優先で通してもらって、ゲートに到着すると、まさにドアが閉まろうとしていたところでした。

 いったんドアが閉まってしまったら、「ナッツ姫」(ご記憶ですか?)でもない限り開けてもらうことはできません。

 つまり、列車が不通になるくらいの強風だったので、飛行機の出発も遅れていたというわけです(今ならスマホで運行状況を確認できるのですが、まだそんな便利なものはありませんでした)。

 こうして、間一髪で間に合って、僕は無事に東京に戻ってくることができました。「ダメモト」でカウンターまで走った僕の執念を褒めてやりたいものです。

「諦めなければ逆転勝利できる」と信じるほど僕はナイーヴではありませんが、「諦めてしまったら逆転勝利はありえない」というのは事実でしょう。

(2)へ続く
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