【なでしこジャパン考察】「難しい大会」の意義と2023年ワールドカップに向けての調整【なでしこジャパン「E-1選手権優勝」の意味】(3)の画像
E-1選手権優勝の後も、なでしこの戦いは続く 写真:YUTAKA/アフロスポーツ

 日本女子代表はEAFF E-1選手権で優勝を果たした。東アジアのライバルを相手にした大会で、「なでしこジャパン」は何を得たのか。サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。

■E-1選手権開催の意義とは何か

 EAFF E-1選手権というのは難しい大会だ。

 男子の4チームには大きな実力差があり、またそれぞれの事情を抱えていた。

 カタール・ワールドカップ出場が決まっている日本と韓国にとって、現在の関心事はワールドカップに向けての準備だ。しかし、この大会には海外組が招集できないので国内選抜的なチームで参加。ワールドカップに向けた国内組の最終選考的な意味合いが大きかった。

 一方、ワールドカップ予選で敗退している中国はU-23代表で参加した(オーバーエイジが2人=DFのブラウニングとFWの譚竜)。将来、つまり本大会参加国数が48に増える2026年のワールドカップ出場を見据えて大会に臨んでいるのである。

 これだけ、各国の事情がバラバラだと試合結果をどう評価すべきかの判断も難しい。E-1選手権開催の意義とは一体何なのか? 「中止」も含めてそろそろ考え直す時期にきているのではないだろうか。

 一方、女子の方は(こちらも海外組がほとんど参加できないが)実力差は男子ほど大きくない。いや、FIFAランキングを見ると、日本の13位を筆頭に中国が16位、韓国が18位と東アジア勢は世界でもかなり上位にいるのだ。

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