主催者は練習まで有料で公開した。大人4500円、小中高校生からも2000円というJリーグ以上の入場料を取ったが、なんと1万3370人もはいったという。この後、PSGは埼玉スタジアムで浦和レッズと、そしてパナソニックスタジアム吹田でガンバ大阪と対戦するが、同じような「熱狂」になるだろう。

 こんな「注目の一戦」を見ず、J2の東京VとJ1最下位の磐田が対戦する天皇杯、しかも準々決勝にも達していない試合を取材しに行くなんて…。と、多くの友人が思ったのは不思議ではない。それが「えっ!…」という言葉によく表れていた。

■観客数2275人の熱戦

 水曜日の夜の試合。予想どおり、味スタは閑散としていた。入場者は2275人だった。

 だが両チームのサポーターは意気盛んだった。「声出し」はできないものの、太鼓を叩き、手拍子を送って、120分間チームを支え続けた。そう、知らない人も多いだろうが、味スタの試合は1-1から延長戦になったのである。猛烈な蒸し暑さのなか120分間を戦った末、東京Vが2-1で勝ち、優勝を飾った2004年以来の「ベスト8」に進んだ。京都サンガと対戦する準々決勝は、9月7日(水)に再び味の素スタジアムで行われる。

 技術的なレベルは、国立競技場でプレーするPSGはもちろん、DF谷口彰悟山根視来日本代表に抜かれてPSG戦に臨んだ川崎にも遠く及ばなかったかもしれない。ミスも多かった。しかし東京Vも磐田も素晴らしい闘志と決意にあふれたプレーを見せ、120分間、私を惹きつけ続けた。

 なかでも驚嘆したのは、東京Vの献身的なプレーだ。東京Vは7月11日にチーム内で複数の新型コロナウイルス感染者が明らかになり、6日間の活動停止を余儀なくされた。磐田との天皇杯ラウンド16の試合は当初13日に予定されていたが中止され、1週間延長されて「PSG×川崎」と同じ20日になったのだ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3