■大迫に代わるCFの候補は誰に?

 では、森保監督はどのポジションにオプションを求めているのか。

 まずは3トップ中央だろう。W杯アジア最終予選では大迫勇也が軸となったが、2番手、3番手ははっきりしていない。

 今回のメンバーでは、武藤嘉紀ヴィッセル神戸)が最注目だ。ドイツ、イングランド、スペインでプレーし、18年ロシアW杯メンバーの実績は、今シーズンのパフォーマンスによって再認識されている印象だ。4-3-3ならCFとウイングで、4-2-3-1なら1トップでプレーできる彼は、大迫不在時のオプションとなってきた古橋亨梧浅野拓磨前田大然らとはタイプが異なる。万能型の上田綺世とも違う。大迫が復帰してくれば、神戸で培ったコンビネーションを持ち込むこともできる。19年のアジアカップ以来となる国際舞台で、はっきりとしたアピールが期待される。

 西村拓真(横浜FM)も興味深いタレントだ。

 前所属のベガルタ仙台では2トップの一角で起用されることが多かったが、今シーズンから在籍する横浜FMでは4-2-1-3の「1」で攻撃力を爆発させている。森保監督の4-3-3ではウイングが適正ポジションになりそうで、予想フォーメーションでは暫定的に左ウイングとした。ただ、4-2-3-1を採用すればトップ下に当てはめることができ、鎌田大地久保建英とは違うタイプ──ゴールをより強く意識したトップ下として起用できる。使いかた次第で面白い化学反応を見せてくれるのでは、との期待を抱かせる選手だ。

 西村と同じ横浜FMでプレーする宮市は、所属クラブで絶対的な存在ではない。クラブでの貢献度は水沼のほうが高い。

 スピードを生かした突破が武器という意味では、浅野や前田と同タイプに分類される。近年の国際舞台での実績では、彼らに見劣りする。

 ただ、途中出場のカードとして考えると、テストしてみたくなる選手だ。今回招集されたアタッカー陣では、ワンプレーでビッグプレーをする可能性を秘めているのが宮市なのだ。

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