■仙台は首位に勝点3差の3位

 試合は1対1のまま終了した。

 90分、FW中山仁斗がペナルティエリア左でフリーになり、左足で狙ったがゴール右へわずかに逸れた。90+4分には決定機を作られるが、GK杉本が好セーブ3連発で失点を許さない。仙台にとっては3連戦の3試合目で、中3日のアウェイゲームであり、暑さとの戦いでもあった。

 さらに言えば、最下位に沈む琉球は、スペイン人指揮官ナチョ・フェルナンデスのもとでチーム再建の真っただ中になる。先発で起用される選手に変更があり、これまでとは違うポジションで起用された選手もいる。スカウティングが難しかったことも加味すれば、勝点1をポジティブにとらえるべきかもしれない。

 この試合ではボランチの中島元彦レアンドロ・デサバトがメンバー外だった。中島は「前節少し痛めた」(原崎政人監督)とのことで、大事を取っての欠場だった。デサバトは前節途中出場で途中交代しており、状態が気になる。

 その一方で、富田晋伍が戦列に戻ってきた。3月20日の5節以来のメンバー入りを果たしている。36歳の経験者の復帰で、チームに芯が通るだろう。

 さらに、7月7日にガンバ大阪からの育成型期限付き移籍が発表された佐藤瑶大が、後半途中からピッチに立っている。183センチのセンターバックは、若狭大志の負傷を埋める存在だ。

 また、蜂須賀孝治がシーズン2度目の途中出場を果たしている。彼が右サイドバックに入ることで、真瀬を2列目で起用するオプションが成立する。富田とともにチームの精神的支柱にもなる背番号4の復帰は、戦術的なバリエーションを広げるものでもあるのだ。厳しい夏場を乗り切るだけの戦力は、揃っていると言える。

 この日行なわれたゲームで、首位の横浜FC徳島ヴォルティスと1対1で引分けた。2位のアルビレックス新潟は、レノファ山口FCを3対1で退けた。両チームは勝点51で並び、新潟が得失点差で首位に立っている。仙台は勝点48の3位だ。

 今週は13日に天皇杯4回戦が開催されるが、J2の上位3チームはすでに敗退している。3連戦後のリカバリーを進め、週末の27節に照準を合わせていく。

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