■ドノバンからプリシッチへ

 しかし1996年に現在に続く新しいプロリーグ(MLS)が誕生し、サッカーが少年少女の人気スポーツになってから育ってきた選手が中心になった2002年大会以後は、欧州や南米を脅かす力をつけてきたことが実証された。 

 この時期のアメリカサッカーは、カリフォルニア生まれ、アイスホッケーのプロ選手を父にもち、6歳でサッカーを始めたランドン・ドノバンという才能あふれる選手を輩出する。ドノバンは17歳でドイツのバイエル・レバクーゼンと契約、その後、バイエルン・ミュンヘン、エバートンなどでプレーする。その流れが、現在の世界でも屈指のアタッカーと呼ばれるようになったクリスチャン・プリシッチにつながっている。

 プリシッチはアメリカ代表の現在の最大のスターだ。イングランドのチェルシーで背番号10をつけ、攻撃の中心となっているプリシッチ。1998年9月18日生まれ、日本戦の5日前に24歳の誕生日を迎える。日本でいえば「東京五輪世代」の若さながら、すでにアメリカ代表で51試合もプレーして21得点。アメリカ代表チームのキャプテンを務める。

(4)へ続く
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