■逆転されるもモーベルグ弾で追いつく
ホームチームは、ハーフタイムに明本考浩を下げて江坂任を投入。珍しく早めの時間帯に交代した明本についてリカルド・ロドリゲス監督は試合後に「試合中に筋肉系のところで違和感を抱えながらプレーしていた」と説明している。その明本に代わって出場した江坂が後半開始25秒でいきなりシュートを放ち、浦和のペースで試合が進むかに思われた。
しかし54分、CKから京都に同点ゴールを許してしまう。ニアサイドを守る酒井宏樹の背後から武富孝介に飛び出され、酒井の目の前で合わせられてネットを揺らされた。浦和はCKをゾーンディフェンスで守っていたが、この守り方を採用する際、選手はボールと味方の位置に集中するため、背中から寄ってきて視界に入る相手を捕まえるのが極めて難しい。戦術的な弱みを見事に突かれてしまう形となった。
1-1とされてからわずか2分後、西川周作から岩尾へのパスがずれてしまい、自陣でボールを奪われてしまう。するとショートカウンターの流れからペナルティエリア内でピーター・ウタカにボールを収められ、ウタカからのパスに反応した山田楓喜にゴールを許し、あっさりと逆転を許した。
それでも59分、浦和が同点に追いつく。ハーフライン付近でFKを得ると、岩尾が素早いリスタートを実行し、右サイドを走るモーベルグの前にロングボールを送る。これをペナルティエリア右で受けたモーベルグはシザースを2回挟んで内側にワンタッチし、振りの速いシュートを放った。ボールは左サイドネットへと突き刺さり、スコアを振り出しに戻している。なお、この背番号10のゴラッソは記念すべきクラブの通算1500得点目となった。
ここからは赤いユニフォームの時間帯が続く。右サイドではモーベルグのカットイン、左サイドでは大久保のスピーディなドリブルという、またしても左右非対称な攻め方で京都ゴールを脅かす。しかし、今季の流れを象徴するかのように、最後の所でゴールが決まらない。松尾が決定機を何度か外すなど、チャンスをものにできずに時間だけが過ぎていく。
92分には松尾のシュートがクロスバーを叩くも決まらず、結局2-2でゲームは幕を閉じた。