■1万人もいる「王族」

「王族」と聞くとびっくりしてしまいますが、サウジアラビアにはサウード家の王族が1万人以上いると言われています。

 サウード家はアラビア半島中部を支配していた小さな一族でしたが、18世紀にイスラムの教えを厳格に守ろうと主張するワッハーブ派と組んで勢力を拡大。オスマン帝国との戦いを経て、1932年に統一国家を建国。新国家は「サウード家のアラビア」を意味する「サウジアラビア王国」と命名されました。

 一夫多妻が認められるイスラム教。有力氏族との政略結婚を繰り返した初代のアブドゥルアジーズ国王には、なんと子供が200人いたとも言われています。

 その後、初代国王の子供や孫たちもそれぞれ多くの子供をもうけたため、王族の数は急拡大。今では王族が1万人以上と言われているのです。2015年に即位した現在のサルマーン国王は、初代アブドゥルアジーズ国王の25番目の男子だそうです。

 王族の中には貧乏な人たちもいるらしいですが、それでも王族の多くは石油収入から得られる富や国家権力を独占して贅沢な暮らしをしています。

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