三宅がかわされた後のカバーの遅れや、最後にエングマンと1対1の勝負となった場面でDFの高橋はなが寄せきれなかったなど、いくつかのミスが重なった失点だった。そして、この場面だけではなく、フィンランド戦の前半は前線からのプレスがかからない状態で無理にボールを奪いに行ってかわされるという場面が何度もあった。
攻撃がうまく機能せず、押し込まれる時間が長くなり、コンパクトさが失われてしまったためだ。前線と守備陣がバラバラになってしまった。
オウンゴールを生んだ遠藤の左サイドでの突破以外に攻め手もなく、ツートップに入った菅澤優衣香や田中美南にも良い形でボールが渡る場面もなく、攻守ともにまったく機能していなかった前半の日本。1対1の同点で終われたのが、むしろ幸運だった。
■ハーフタイムに池田監督が打った手
しかし、池田太監督はハーフタイムで3人の交代を使ってチームを立て直した。
菅澤と田中のツートップを退けて、代表戦で4試合連続ゴール中の植木理子と長谷川唯を投入。植木のワントップとして、長谷川をトップ下で自由に動く形に切り替えた(もう1人はボランチの三浦成美に代えて猶本光を投入)。
すると、後半の開始2分に早くも日本のゴールが生まれる。
右サイドバック清水梨紗からのパスを受けた長谷川がドリブルで運んで右サイドの宮澤ひなたにつなぐと、宮澤は追い越していく清水を使い、清水のクロスを受けた遠藤が軽快に足を振りぬいて決めた。