■GKストイシッチの好守が試合を作る
前半開始早々の2分、仙台はいきなりピンチに見舞われる。徳島MFエウシーニョのタテパスを杉森考起に受けられ、FW一美和成にフィニッシュへ持ち込まれる。しかし、GKストイシッチがファインセーブで防ぎ、いきなりのビハインドは免れた。
2列目の右に名倉、左に氣田亮真を配し、遠藤が前線で流動的に動く並びは、「個」による突破とコンビネーションを両立させるものだ。さらに中山が最前線に構えることで、ポストプレーを起点とした攻撃も見込める。中央からもサイドからも崩せる。
だが、前半のチャンスは一度限りだった。28分、中山が左サイドでDFふたりを剥がし、ゴール前へグラウンダーのラストパスを通す。走り込んだ遠藤が左足で合わせたが、ワクをとらえることはできなかった。
0対0で迎えた後半は、ボランチ中島元彦のミドルシュートが攻撃の活路となる。背番号44のパンチ力のある一撃が、56分、57分と相手守備陣を脅かす。仙台が試合の流れを引き寄せつつあるなかで、ラスト20分付近から試合は動いていく。