■終了直前のPKで勝点1を得る
しかし、時間は確実に過ぎていく。アディショナルタイムが残り1分を切ろうかとした90+4分、キム・テヒョンのクロスに飛び込んだ右SB真瀬が、徳島DF田向泰輝に倒される。主審は長い笛を吹いた。
PKである。徳島の選手が主審に詰め寄るものの、田向の手は真瀬のユニフォームを引っ張っていた。PKは妥当だっただろう。このところ途中出場が続いていた右SBが、最後に大きな仕事をやってのけた。
PKは皆川が決めた。右足から放ったキックはGKホセ・アウレリオ・スアレスに止められたが、弾かれたボールを冷静に蹴り込んだ。90+7分の劇的な同点弾で、仙台は勝点を「0」から「1」に変えたのだった。
試合後の原崎監督は「勝点3を取りに来たので、結果的には残念ですが、この試合展開で勝点1を持って帰ることができるのは、選手が良くやってくれたと思います」と試合を総括した。2試合連続で勝利を逃した一方で、2度のビハインドを跳ね返した粘り強さは評価できる。
次節は3位横浜との上位対決である。J1昇格争いを左右する大一番であり、アウェイでは1対2で敗れている。勝点3を取り切らなければいけない。
原崎監督は「前半の入りを大事にしたい」と話す。18節の岡山戦からは1勝2分1敗と、ややペースダウンしている。ここ4試合は前半の得点がない。この試合でも開始早々にビッグチャンスを作られた。試合の入りからパワーを注いで主導権を握っていくことが、仙台のテーマになるだろう。