グループリーグでの生き生きとしたプレーぶりが影を潜め、ラウンド16では煮え切らないプレーに終始してでトルコに敗れたことで与えた失望は小さくなかったが、それ以上に、出場2回目のワールドカップで初勝ち点(初戦、2-2ベルギー)、初勝利(第2戦、1-0ロシア)、そして初のグループ突破(第3戦、2-0チュニジア、首位通過)と、次々と日本サッカーの歴史を書き替えたのは、偉大な功績だった。
後になってから見れば特筆すべきことではないことも、それを最初に実現する困難さは計り知れないものがある。「歴史を書き替える」とは、対外的なことだけでなく、自分たちの内側に自分たち自身で築いてしまっている「壁」を打ち破る、あるいは乗り越えることを意味している。歴史を書き替えた人びとは、どの時代にあっても偉大だ。