大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第90回「女性審判員の未来」(3) ブラジルでの「女性審判暴行」が世界的ニュースにならなくなる日の画像
フラパール主審はチャンピオンズリーグでも笛を吹いた 写真:ロイター/アフロ
■【写真】背番号やポジションは? 現在とは印象が違う選手時代の山下主審の貴重なショット

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト・大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム」。今回は、ワールドカップの審判が男女同数になる未来―。

■現在世界ナンバーワンの女性審判員

 ビビアナ・シュタインハウスに続いて「ビッグ5」の舞台に立ったのが、今回山下良美主審らとともにワールドカップに選出されたフランスのステファニー・フラパール主審である。2019年の女子ワールドカップの決勝戦で主審を務めた後、8月にイスタンブールで行われた男性の「欧州スーパーカップ」(リバプールチェルシー)の主審に選ばれ、大きな話題となった。そして翌年4月には「リーグ1」でデビューを飾る。

 2020/211シーズンがスタートすると、フラパールは次々と歴史を書き変えていく。9月には「UEFAネーションズリーグ」Dグループ1組のマルタ対ラトビアで史上初めて男性の代表同士の公式戦の主審を務め、1か月後には「UEFA欧州リーグ」(レスターシティ対ゾリャ・ルハンスク)、さらに12月には、「UEFAチャンピオンズリーグ」(ユベントス対ディナモ・キエフ)の主審となった。

 そして年が明けた2021年3月には、ワールドカップ欧州予選G組のオランダ対ラトビアの主審を任された。予選の第2節。アウェーで戦ったトルコとの初戦を2-4で落としていたオランダにとっては「生か死か」の試合だったが、フラパールは平然とこなした。なお翌日には、ウクライナの女性主審カテリナ・モンズールがF組のオーストリア対フェロー諸島を担当している。そして4月、フラパールは欧州選手権(EURO)の第4審判に選出された。

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