■5月14日/明治安田生命J1第13節 川崎フロンターレ 2ー0 アビスパ福岡(等々力)
4月9日以来の等々力競技場でのリーグ戦を戦った川崎フロンターレ。迎えたのは、アビスパ福岡。昨年、リーグ戦の無敗記録を止められた因縁の相手だ。先発メンバーは前節・清水戦と同じ。インサイドハーフに古巣対決となった遠野大弥が入った4-3-3で、福岡はCBに元川崎の奈良竜樹が入った4-4-2だった。
その試合を動かしたのは、遠野だ。2020年に福岡にレンタル移籍し、J2・41試合に出場して11得点を挙げた男が、その得点力を古巣相手に見せつけた。55分、家長昭博がスローインを投げると、レアンドロ・ダミアンが山根視来に落とす。日本代表の右サイドバックはシュートと見せかけてペナルティエリア内にスルーパスを出すと、遠野がこれをダイレクトシュート。右足を振り切った次の瞬間、ゴールネットを揺らしたのだ。家長のスローインからわずか5秒の電光石火弾だった。
それまでの55分間は、川崎サポーターにとって、“難しい空気”が感じられた時間だった。というのも、この試合の肝はそもそも、川崎がいかに福岡の守備陣を崩すかにあった。開始時点でJ1最少失点タイという堅守を福岡は誇っており、この試合の前半、流れの中からマルシーニョ、セットプレーから谷口彰悟が決定機まで至ったものの、阻まれ続けた。GK村上昌謙を中心とした福岡守備陣が最後の最後で粘ったからだ。