【J1分析】田中聡「個のところで上回らなければならない」山口智監督「いろいろなものを背負い過ぎている」から伝わる「周りを見る余裕のなさ」【湘南ベルマーレvs横浜F・マリノス】(2)の画像
マリノスの4点目。水沼宏太が手招きしたのは 湘南ベルマーレvs横浜F・マリノス(20220514)撮影/原壮史
湘南ベルマーレvs横浜F・マリノス 20220514

【明治安田J1リーグ 第13節 湘南ベルマーレvs横浜F・マリノス 2022年5月14日 16:03キックオフ】

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 湘南の田中聡は試合後「チームとして戦えていても、個のところで上回らなければならない。そこで漏れが出てしまうと、失点や敗戦に繋がってしまう」と振り返ったが、それだけではないだろう。山口智監督は「結果が出ていない中で、いろいろなものを背負い過ぎている」という言い方でそれを表した。

 湘南とマリノスとの差は、周りを見てプレーできる余裕があるかどうか、に見えた。水沼は「相手のパスを出す感じを見ながらプレーしていた」(先制ゴールの場面について)と言い「速いプレスをかけることも大事だが、頭を使いながら、相手を見ながらプレスをかけることも大事」とした。前半は湘南の勢いに押され、ボールが前ではなく横や後ろに動くことが多かったマリノスだが、いつもと違う中でも観察や予測でチャンスを作りだし、ものにしてみせた。

先制ゴールを喜ぶ水沼宏太 湘南ベルマーレvs横浜F・マリノス(20220514)撮影/原壮史

 一方、湘南は常に全力でボールを見てプレーしていた。立ち上がりに勢いよく相手を上回っている間は良いのだが、上手くいかなくなった時に攻守ともに無理なプレーが出てしまった。ボールの奪いどころが定まらなくなってからもプレスの勢いは落ちないが、それが攻撃でのズレに繋がってしまい、そして守備でも無理が生じる、と負のループから抜け出せなくなってしまった。どんなことがあっても自分たちの戦い方を貫かなければならない、という見えない鎖に囚われてしまっているようだった。

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