■再建は進んでいるのか?

 象徴的存在と結果を残していた2人のFWを手放し、断腸の思いで決断を下して、バルセロナが健全経営をするべく再始動ーー。バルサ再建のストーリーができあがったかにみえたが、その実情は非常に怪しい。

 ラ・リーガはこの冬、1部全クラブの今季のサラリーキャップ額を発表した。バルセロナに当てはめられたその額は、「マイナス1億4400万ユーロ」。1部リーグでマイナスの数字が提示されたクラブは、バルセロナだけだった。

 この額は、前期の収入と支出、そして今期の収入と支出の見込みを顧みて、ラ・リーガが算出したものである。つまり、バルセロナはまず、来季に向けて人件費などで1億4400万ユーロを削減するか、来季予算という「分母」を大きくして、経営のバランスを取り戻さなければならないということだ。

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