■チームづくりに必要な「時間」

 ここで比較したいのは、昨年から同じスペイン人のリカルド・ロドリゲス監督が指揮を執っている浦和レッズのチーム作りである。

 FC東京のアルベル・プッチ監督も、浦和のリカルド・ロドリゲス監督も、スペインのクラブでの監督としての実績はない。そして、リカルド・ロドリゲスは2017年にJ2の徳島ヴォルティスの監督に就任して素晴らしいチームを作り、4年目の2020年に徳島をJ2優勝(J1昇格)に導くという実績を残して、満を持してJ1のビッグクラブ浦和の監督に就任した。

 一方、アルベル監督も、2020年にやはりJ2リーグのアルビレックス新潟の監督として来日し、J1昇格は出来なかったものの、2年目の2021年には6位と、普通のシーズンであれば昇格プレーオフ挑戦権が与えられる順位にまで強化(リカルド・ロドリゲス監督が徳島を初めてプレーオフ圏内に導いたのは就任から3年目)。そして、今シーズン、リカルド・ロドリゲスより1年遅れて、J1リーグに挑むことになったのだ。

 つまり、2人のスペイン人指導者はその経歴にかなりの共通点があるので、僕たちとしてはどうしても比較してしまう(本人たちは、そういう比較を好まないかもしれないが)。

(3)へ続く
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