■コーンの進化の歴史
道路工事に使われる「トラフィックコーン」は、通常は70センチほどの高さがあり、高速道路用には、遠くからも目立つようにと90センチの高さのものが使われる。最初にこのコーンをトレーニングに使ったのは、アメリカンフットボールのコーチたちだったかもしれない。しかしサッカーのコーチたちもこれにすぐに目をつけ、トレーニンググラウンドの緑美しいピッチの上に赤いトラフィックコーンが目立つようになる。
使い始めてみると、非常に便利であることがわかった。そしてより使い勝手がいいようにと、コーチたちはスポーツ用具メーカーにさまざまなリクエストを出すようになる。そのひとつが「小型化」であり、また「カラー化」だった。ピッチを区切ったり、スラロームをさせるだけなら、70センチもの高さのあるものは必要ない。30センチほどのもので十分だった。また、プレーヤーたちにさまざまな約束ごとを示すには、色違いのものがあったほうがいい。こうしてトレーニング用に開発されたコーンは、「スポーツコーン」と呼ばれるようになる。
30センチのものはやがて10センチになり、やがて高さ5センチで、「底面」の直径が20センチ、平たい三角錐の頂点が切られ、5センチほどの穴が開いているものが開発される。薄いプラスチックでつくられ、10枚重ねても片手でもてる。そして片方の端に10センチほどの円盤をつけた棒のような用具をつくれば、それに何十枚でも突き刺して簡単に持ち運ぶことができる。