大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第87回「サッカーゲームは熱い」(1)ライバルたちを蹴散らしてきた「至極の単純明快」の画像
長い歴史を持つテーブルサッカーはドイツでも人気 写真:渡辺航滋

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。重箱の隅をつつくような、「超マニアックコラム」。今回は、サッカーより熱くなるサッカーについて。

■「机上のサッカー」の面白さ

 今回は「サッカーゲーム」の話である。

 といっても、いわゆる「ビデオゲーム」や「オンラインゲーム」のことではない。いまや「eスポーツ」はアジア競技大会の公開競技として試行され、オリンピックにもはいるのではないかという日の出の勢い。国際サッカー連盟(FIFA)が「eサッカー」に積極的に関与すれば、日本サッカー協会(JFA)も傘下に収めて「日本代表」まで組織し、Jリーグに「eJリーグ」なるものまで登場して、空前のブームだ。

 だが、今回取り上げるのはそうしたデジタルゲームではない。広大なピッチで行うサッカーの醍醐味を、家のなか、あるいは机の上でなんとか実現しようという試みである。実はこれが非常に奥深く、熱いのである。

 デジタル時代を迎える前に、机の上でサッカーを楽しむことはできないだろうかとさまざまな人が考えたのは、サッカーの人気、競技への情熱から考えれば当たり前のことのように思える。しかし誰もが熱狂する「ゲーム」をつくりだすことはそう簡単ではなかったようだ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3