中国の各クラブには好景気に沸いていた不動産ディベロッパーが親会社として付いていたのだ。だが、最近は中国における不動産バブルも崩壊寸前となり、各企業の経営も悪化している。あの広州を支えていた恒大産業集団も経営破綻に苦しんでいる。

「共同富裕」を掲げる中国政府による規制もあって中国では、かつてのようなビッグネームの“爆買い”は影を潜めたのだ。こうして、中国のクラブの実力が落ちているうえに、中国政府による「ゼロコロナ」政策の影響で昨シーズンに続いて、今シーズンも中国のクラブはACLに最強チームを送り込むことができなかった。さらに、感染者が急増して都市封鎖が続いている上海の上海海港は大会を棄権してしまった。

■アドバンテージがある東南アジア勢

 また、昨年は参加を辞退したオーストラリア勢は大会に復帰したが、メルボルン・ビクトリーが神戸とのプレーオフに敗れため、グループステージに参加するオーストラリアのクラブはメルボルン・シティとシドニーFCの2チームだけとなった。

 一方で、最近はタイやベトナムをはじめとする東南アジア諸国のクラブも実力を向上させており、ACLの参加チームが40チームに拡大されたこともあって、多くのチームが参加している。しかも、グループステージが東南アジアでの開催となったため、彼らはホーム・アドバンテージを持って戦えることとなる。

 中国やオーストラリアが弱体化したため、昨年に続いて各グループとも日韓のクラブの一騎打ちとなる公算が大きく、そこにオーストラリアや東南アジアのクラブがどこまで食い込めるかが焦点となるだろう。

(2)へ続く
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