■驚異の「勝ち点率80.1%」

 チッチの初指揮は9月1日のエクアドルとのワールドカップ予選アウェーゲーム。2018年ワールドカップの南米予選はここまで6試合を消化していたが、ブラジルは2勝3分け1敗と苦戦を続けていた。しかしチッチ監督就任とともにブラジルは息を吹き返した。ネイマールとガブリエウ・ジェズス(2得点)のゴールで3-0と快勝。ここから怒濤の8連勝。この間得点23、失点わずか2。アルゼンチンに3-0(ホーム)、ウルグアイに4-1(アウェー)という重要な勝利もあり、ワールドカップ出場を決めた。

 ロシア大会では準々決勝でベルギーと対戦、試合序盤のオウンゴールの不運もあり、1-2で敗れたが、チッチ監督への信頼は揺るがなかった。ことし3月29日のボリビア戦まで、チッチ監督下のブラジル代表の成績は72戦して53勝14分け5敗。「勝ち点率=全勝で得られる勝ち点数に対する実際に得た勝ち点数の割合」は、実に80.1%にものぼり、ブラジル協会の判断が正しかったことが証明された。ちなみに、6年間を超す「長期政権」はブラジル代表では異例中の異例だ。

(5)へ続く
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