「日本代表監督候補」だったチッチがセレソンに現代的サッカーをもたらした【カタール・ワールドカップに乗り込む「歴代最強」ブラジル代表】(4)の画像
2017年に日本と対戦した際の眼光鋭いチッチ 写真:原悦生

 ブラジルと言えば、サッカー王国として知られる。今年開催されるワールドカップでも、優勝候補に挙げられる。その強国の歴史でも、今回のセレソンは最強かもしれない。サッカージャーナリスト・大住良之が、ブラジル代表を解析する。

■すでに今大会限りでの退任を表明

 2016年、チッチはワールドカップ予選の半ばでブラジル代表監督に就任。チームを立て直して予選を突破し、ロシア大会に臨んだが、ブラジルとしては不満の残る準々決勝での敗退(ベルギーに敗れる)となった。それでもブラジル協会のチッチ監督への信頼は厚く、さらに4年間の指揮を託した。チッチはすでに2022年ワールドカップを最後にブラジル代表監督を退くことを表明している。

 チッチはコリンチャンスの監督時代の2012年にリベルタドーレス杯南米クラブ選手権を制覇し、その年の12月に日本で行われたFIFAクラブワールドカップでは決勝戦でチェルシー(イングランド)に1-0で勝利、「世界チャンピオン」の座についた。

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