■悪名高き航空会社

 1996年12月にはアラブ首長国連邦(UAE)でアジアカップが開催されました(日本代表は準々決勝でクウェートに敗退)。

 この時、僕はパキスタン航空を利用しました。まず、マニラ、バンコク経由でパキスタンのカラチに向い、ここでアブダビ行きに乗り継ぎます。ずいぶん面倒なルートですが、おそらくこれが一番料金が安かったのでしょう。

 パキスタン航空(IATAのコードは「PK」)は、当時は「預けた荷物がすぐになくなる」ことで有名でした。ですから、この時は僕も大きな荷物まで全部機内持ち込みにしました。で、日本人スチュワーデス(今では「キャビンアテンダント」と呼びますよね)が乗っていたので、「というわけで荷物は全部持ち込んじゃいましたよ」と皮肉も込めて言ったのですが、そのスチュワーデスさんにはこう言われました。

「ええ、私たちもそうしてます」

 パキスタン航空の良いところは離陸前に機内放送でありがたい映像とともにコーランの朗詠が流れるところです。ですから、墜落したりすることはけっしてない……と思うのです。

(2)へ続く
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