サッカー日本代表はワールドカップ・アジア最終予選を戦い終え、B組2位での本大会出場が決まった。すでに出場権を手にしていた3月29日の最終戦では、ベトナム代表を相手に1-1で引き分けた。11月に始まるカタール大会への第一歩であるはずだった試合から、そこに至る道のり、さらに本大会でのどんな展望が描けるのか。サッカージャーナリスト・大住良之と後藤健生が激論を交わした。
■必要なセットプレーの攻守の改善
――選手たちの成長もそうですが、森保一監督自身の大会までの宿題はありますか。
大住「ワールドカップでいかに点を取れる攻撃をできるかというのは、やっぱり一番の課題だと思うんだよね。突然ヘディングが強くなったりはしないけど、チーム自体のディシプリンは良いから、どの相手からでもチャンスを毎試合6本はつくる、としていくことはできる。そのうち2本は入れるというふうにしないと、勝てるチームにはならないよね。同時に、チャンスを多くつくるための組み合わせやコンビネーションが大事になる」
後藤「強い相手には5回が限度だと思ったチャンスの回数を8回に増やす、というのが監督の仕事だよね」
大住「あとはセットプレーのレベルをひとつ上げるということかな。守りも攻撃も両方ね。このベトナム戦でのもうひとつの教訓が、セットプレーの守りをちゃんとしろよ、ということだからね。無失点だからこその5連勝だったのに、わざわざこの試合で、しかもCKから失点することはなかった」
――セットプレーは以前から課題が指摘されています。
後藤「セットプレーは、本大会直前の合宿でやればいいよ」
大住「大一番だった今回の連戦でも、セットプレーコーチはU-21代表に帯同していたからね。それに、本格的に取り組むのは、最終メンバーが固まってからだよね」
後藤「いずれにせよ、大会直前にはセットプレーはしっかりやってほしい。それまでは、隠しておきたいという気持ちもあるかな」