■ここから先は序列を再考される
最終予選の戦いを踏まえると、4-3-3のシステムで完成度を高めていくことになる。
2試合のセットを5回消化するW杯アジア最終予選では、チームの編成とスタメンの決定で継続性が重視された。連戦の初戦は1か月以上ぶりの実戦で、練習の回数も圧倒的に少ない。必要以上にメンバーを代えるのは、自分たちでリスクを背負ってしまうことを意味していた。ホームのオーストラリア戦からは負けなしで、しかも無失点を続けていったから、先発メンバーを入れ替える必要性がなかったとも言える。
ここから先は、序列を再考してもいい。
たとえば、左SBである。過日のオーストラリア戦までは、長友佑都が先発し、中山雄太を途中出場させてきた。しかし、長友は所属するFC東京で左SBのポジションを確保できていない。国内組も欧州組も、クラブで試合勘を磨いていくのは大前提になる。コンスタントに試合に出ていない選手は、W杯本大会では使いにくい。少なくとも先発には推せない。そうしたことを踏まえて、どのポジションにも2人の候補を揃えていきたい。
すでに候補が出揃っているポジションもある。
右SBは酒井宏樹と山根視来だ。オーストラリア戦に先発した山根は、三笘薫の先制点をアシストした。最終予選3試合に出場し、酒井との競争はいよいよ本格化していきそうだ。
吉田麻也と冨安健洋に続くCBには、板倉滉と谷口彰悟が名乗りをあげた。最終予選終盤の彼らのパフォーマンスは、信頼を寄せるに足るものと言っていい。