サッカー日本代表は3月24日、オーストラリア代表とのワールドカップ・アジア最終予選に臨む。勝てば本大会出場が決まる大一番を前に、次々と負傷者が出てしまった。だが、このピンチもチャンスになり得ると、サッカージャーナリスト・後藤健生は説く。日本代表の進化の可能性とは――。
■アンタッチャブルな存在だった大迫
さて、今回は長い間、日本のワントップとして戦ってきた大迫が参加できなくなった。さらに、前田も不参加となったことで、代わってトップを務めるのはオリンピック代表でエースとして使われてきた上田綺世。あるいは、追加招集された林大地ということになる。
大迫は、トップに位置して屈強な相手DFを背負いながら、しっかりとボールを収めることのできる唯一の選手だった。そして、同じようなタイプのFWがいないので、大迫は“替えの利かない”アンタッチャブルな選手とされてきた。
それで、最終予選に入って不調なのは明らかだったにもかかわらず、森保監督は大迫を使い続けてきたのだ。
だが、最近の大迫はかつてのような強さを失っており、うまくボールを収めてチャンスにつなげていく回数がめっきりと減ってしまった。