■ビルドアップでもハマるピース
ただし、この試合では北欧の選手だけでなく、もう一人、チームにポジティブさを与えた選手がいた。それが、先制点を挙げた犬飼智也だ。ショルツをセンターバックのコンビを組んだ背番号13は、ビルドアップに積極的に参加。ボールスピードやポジショニングで最終ラインからのビルドアップを活性化させ、チームに勢いをもたらした。今季、わずか先発が2試合目とは思えぬ堂々たるプレーだった。
本人に気負いはなく至って冷静で、試合後には「(相手ボールを)全部は取りにいけないので、持たれているときにどっしり構えるところとボールを取りにいくところ、その違いは後ろから声をかけられていたと思います」と振り返った。最終ラインから攻撃を補助しながら、守備でも落ち着きをもたらしたのだ。
序盤こそ出遅れた浦和レッズ。しかし、徐々にハマるいくつかのピースが、チームを久々の優勝へともたらしてみせる。