後藤健生の「蹴球放浪記」第102回「空から見た世界三大絶景」の巻(2) 1994年アメリカW杯決勝前に見た「教科書通り」の断層の画像
アメリカW杯決勝戦の入場券 提供/後藤健生

 蹴球放浪家・後藤健生は、取材の過程も楽しむ。移動も、その重要なパートである。陸路だけではなく、空路にも目にしておくべきことは多い。

■ヴィクトリアの滝を見に行く

 2010年に南アフリカでワールドカップがありました。大会終了後、「せっかくアフリカ南部に来たのだから、すぐに帰国するのはもったいない」と思った僕はジンバブエ北部にあるヴィクトリアの滝を見物しました(「蹴球放浪記」第13回「滝を見に行く」の巻参照)。そして、その後、ナミビアの首都ウィントフクに向かいました。ヴィクトリア・フォールズの空港でチェックインする時に「窓際でお願いします」と言ったら笑われました。「全部、窓際でっせ」と。

 小型機のキャビンは中央に通路があり、両側(つまり窓際)に座席が並んでいる構造でしたから、たしかに全席窓際でした。そして、途中、オカヴァンゴにある小さな飛行場に下りて、そこでも客を乗せてウィントフクに向かいました。その降下中にオカヴァンゴ・デルタが見えたのです。

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