■「全体のマネジメントでも彼に助けられた」

 神戸はセンターバックの菊池流帆がプレスに動じない強気なボール保持を見せたものの、全体では効果的に前までボールを運ぶことができず。アンドレス・イニエスタセルジ・サンペール武藤嘉紀大迫勇也という面々が不在の状況で、先発起用されたリンコンが個の力で突破を図る場面が多くなったが、三竿は受け身ではない積極的な守備でそれに対応してみせた。

 守備だけでなく、7分にはコーナーキックの流れからブエノの折り返しをヘディングで決めて先制点を記録している。

キャプテンを務める土居聖真 ヴィッセル神戸vs鹿島アントラーズ(20220311)撮影/原壮史

 その攻守の好パフォーマンスに加え「全体のマネジメントでも彼に助けられた」(岩政コーチ)という部分がチームを勝利に導いた。

 神戸は55分にイニエスタとサンペールの投入で巻き返しを図ったが、ここで三竿と鈴木が指示を飛ばし合い、チーム全体で神戸の変化にフィット。三浦淳寛監督は85分に槙野智章をフォワードとして投入し、さらに菊池も前線に上げてパワープレーに出るしかなくなってしまった。

 土居、鈴木、ピトゥカ、三竿に加え、頼れる存在のクォン・スンテも健在。ピッチのいたる所にキャプテンのように振る舞うことができる選手がいる鹿島は、最後まで神戸の好きにさせず「このスコアは試合前から目指していたもの」「選手たちが神戸戦の勝ち方というものをしっかりと見つけながら戦ってくれて、それが勝利へ繋がった」(岩政コーチ)という結果を手に神戸を去った。

PHOTO GALLERY ヴィッセル神戸vs鹿島アントラーズ 20220311
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