■時代に即した技術の活用

 テニスでも、1月に行われた全豪オープンでは、ライン判定は線審を置かずにすべてホークアイによるトラッキングを使用した。 「ペースが悪い時にチャレンジをして、ブレイク代わりに使う選手もいましたが、そういうこともできなくなりました。試合の時短につながり、時間を他のことに有効に使えるようになりました。それに、これまで9人いた線審がいなくなることで、ソーシャルディスタンスの確保にもつながり、時代に即していると思います」。技術と人間が、ともに進化しているのだ。

 山本氏には、VARの浸透を確信した瞬間がある。YouTubeで見た、南米の子どもたちのサッカーの試合の一場面だ。

 試合中、倒れた選手が審判に向かって主張した。かつてならば、「カードを出せ」とアピールするところで、プロ選手のようにVAR判定を要求するジェスチャーをしたのだという。
 テクノロジーは、確実にスポーツに不可欠な一部になっている。

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