■日本以上に進むヨーロッパの女子チーム強化

 一昨年まで、女子サッカーのトップリーグだった「日本女子サッカーリーグ(なでしこリーグ)」が平均1200人程度だったので、「プロ化」を掲げたものの、入場者数はアマチュア時代と比べてほとんど伸びていないのが現状なのだ。

 これでは、到底「プロリーグ」として健全な経営ができるわけがない。

 最近10年ほどで、ヨーロッパのサッカー大国では女子サッカーがプロ化されて、それなりに観客動員も増えてきている。そして、ヨーロッパの女子サッカーのレベルが上がったことによって、日本代表はワールドカップでも、オリンピックでも上位進出を阻まれている。

 日本の女子のレベルが全体として上がっているのは間違いない。2011年にワールドカップで優勝した当時は一握りの代表選手とその他の選手のレベルの差が大きかったが、現在の日本の女子サッカーは選手層がかなり厚くなってきている。

 それにもかかわらず、日本代表の苦戦が続いているのは競争相手のヨーロッパの女子の強化が進んでいるからだ。世界から引き離されないためにも、日本でも女子のプロリーグは絶対に必要なもの。だが、WEリーグの現状では日本での女子サッカーのプロ化は失敗に終わってしまいかねない。

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