昨夏、ロナルド・クーマン前監督の下で今シーズンをスタートさせたバルセロナ。しかし、ラ・リーガでは最初の11試合で4勝3分4敗となかなか軌道に乗ることができず、同監督を解任することに。
その後、昨年11月にクラブのレジェンドであるシャビ・エルナンデス氏が新指揮官に就任してからも調子はなかなか上がらなかったが、今年に入ってから復調。3月5日時点では公式戦7戦連続無敗を記録し、リーグ戦では4位に浮上した。
バルセロナはどのように調子を取り戻したのか――。3つのトピックスからその理由を探ってみた。
■ダニエウ・アウベスの攻撃力を最大限に活かす
昨年11月にバルセロナ復帰を果たしたダニエウ・アウベス。
38歳となったブラジル代表DFは、戦友シャビ・エルナンデス監督の下で攻撃時に重要な役割を担っている。そのタスクが話題になったのが、ラ・リーガ第23節のアトレティコ・マドリード戦だった。
4-3-3の右SBとして先発出場したアウベスは、ビルドアップ時に内側に絞る偽SBとして機能。組み立て時のキーマンとして警戒されるセルヒオ・ブスケツを隣でサポートしつつ、チームの攻撃を支えた。
さらにタイミングを見計らって高い位置まで侵入し、ゴール前でも仕事をこなす。10分にはジョルディ・アルバの衝撃的なゴラッソをアシストすると、49分にはペナルティエリア中央まで行ってネットを揺らし、4-2での勝利に貢献している。現代サッカーにおける複雑な役割に難なく適応しており、今季のバルセロナを語る上で欠かせない存在だ。
シャビ政権の発足当初はやや苦労したものの、ここ最近は安定した戦績を残しているバルセロナ。黄金の中盤復活、移籍市場で獲得した新生3トップの躍動、そしてアウベスの偽SBという武器を引っ提げて、どこまで躍進できるか。