一方の神戸も「連戦対策」で臨まざるをえず、攻撃ラインに若い選手がはいった。GK前川黛也、DF山川哲史槙野智章小林友希酒井高徳、MFは扇原貴宏山口蛍をボランチに置き、右に佐々木大樹、左に郷家友太、そしてFWに武藤嘉紀小田裕太郎。だがベンチにはMFセルジ・サンペールアンドレス・イニエスタ、そしてFW大迫勇也ら試合を変える力をもった選手たちが並んでいる。

■三浦監督が「ポジティブ」に評価した生え抜き

 予想どおり、試合は神戸の攻勢で始まった。今季初先発のFW小田がスピードを生かして強引に突破を図り果敢にシュートを放つ。2001年8月12日生まれ、淡路島出身、神戸のアカデミー育ちの20歳のストライカーは、後半24分にブラジル人FWリンコンと代わるまで69分間プレーし、5本ものシュートを放った。決めきることはできなかったが、そのスピードと決断力はこの試合でも光っていた。三浦淳寛監督も試合後に「ポジティブにとらえている」と評価した。

 横浜FMがペースをつかむのは15分を過ぎたころだった。牽引したのは、昨年夏に欧州から戻ってきたFW宮市亮である。中京大中京高を出てJリーグを経ずに欧州に渡り、1年目の2011年にはオランダのフェイエノールトでセンセーショナルな活躍を見せ、日本代表にも選ばれたが、ケガが多く、その後は大きな活躍はできなかった。だが29歳を迎えた宮市のスピードに衰えはなかった。

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