互いの流れをつくった20歳の小田裕太郎と「欧州帰り」の宮市亮【「横浜F・マリノス×ヴィッセル神戸」希有な好ゲームはなぜ生まれたか】(1)の画像
序盤の流れをつくった宮市(左)と小田(中央) 撮影:原壮史

 試合間隔の短い連戦で、顔ぶれもがらりと変わっている。昨季上位同士の対戦ながら、開始前は疑問符も浮かんだ横浜F・マリノスヴィッセル神戸の対戦だったが、ふたを開ければ希有なほどの好ゲームとなった。これほどまでの素晴らしい試合となった理由を、サッカージャーナリスト・大住良之がひも解く。

■連戦の中で生まれた好ゲーム

 3月2日に日産スタジアムで行われたJリーグ第10節、横浜F・マリノス対ヴィッセル神戸は、まれに見る好ゲームだった。両チームがともにアグレッシブに攻め合い、放たれたシュートは計38本。その多くが相手ゴールを脅かし、両チームのGKが再三にわたって好セーブを連発。スタジアムは最後の最後まで緊迫した時間が続いた。

 昨年度の2位(横浜FM)対3位(神戸)。実力派同士の一戦であったのは間違いない。だがともにAFCチャンピオンズリーグACL)への出場を控え、4月下旬に集中開催で予定されているグループステージに向け、その間に予定されているJリーグ第9節と第10節の試合を、他のクラブがルヴァンカップ予選リーグを戦う2月23日とこの3月2日に組み込んだ。

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