まだ2試合を終えたばかりだが、首位に立つというのは気分が良いものだろう。2連勝の柏レイソルが、久々のトップに立っている。昨季に続いて今季も苦戦を予想する声が多かったが、鮮やかに意趣返しした格好だ。カップ戦も含めて「今季無敗」を継続する柏の好調の要因を、昨季2位の横浜F・マリノスを撃破した試合を通じて、サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。
■苦戦の予想を覆す快進撃
2月27日の第2節で柏レイソルが横浜F・マリノスに勝利して開幕2連勝。なんと柏が2試合終了時点でJ1リーグの首位に立った。
昨シーズン15位に終わった柏。今シーズンはクリスティアーノをはじめ何人もの主力選手がチームを離れたことで明らかな「戦力ダウン」と見なされており、各メディアでの順位予想でも厳しい評価が多かった。僕自身も、開幕前の順位予想では「最下位」を予想していた。不明を恥じるしかない。
その柏が、23日に行われた前倒し開催の第9節で王者、川崎フロンターレを破ったばかりの横浜FMを相手に3対1で勝利したのである。
試合自体は横浜FMの“自滅”のような試合だった。
序盤戦は完全に横浜FM有利の展開だった。
試合開始直前にスターティングメンバーとして発表されていたDF大南拓磨が川口尚紀に変更になったという場内アナウンスがあった。試合前に故障が起こったのだろう。こうして、サイドバックが本職の川口がスリーバックの右CBとしてプレーすることになった。
そして、5分には横浜FMがあっさりと先制する。
左SBの永戸勝也がサイドハーフのエウベルを追い越してペナルティーエリア内に進入したところでエウベルからパスを受けてシュート。柏のGK金承奎(キム・スンギュ)が弾いたところに詰めたアンデルソン・ロペスが決めたもの。
サイドを使った横浜FMの狙い通りの得点だった。
さらに、13分、柏は右のウィングバックとして起用されていた中村慶太が負傷のため戸嶋祥郎に交代。柏にとっては逆風が吹き続け、横浜FMの勝利はもはや確実かと思われた。