■金子の覚悟を感じた
杉本健勇をトップとし、金子は大森晃太郎と共に2列目を務めた。ライン際で大森がプレーする左サイドと、鈴木雄斗が高い位置でボールを引き出す右サイド、という左右を中心に攻撃する磐田において、金子はやや内側で中盤からのドリブルを見せて前線を押し上げた。
1点を追う22分にはゴール前に飛び込む金子らしい動きで決定機を迎えたが、ゴールキーパーの権田修一がギリギリで反応。恩返し弾とはならなかったが、30秒後に大井健太郎のロングフィードに鈴木が抜け出してゴール。直前での金子の動きや、この場面での杉本の動き出しが積み重なり、ディフェンスラインが狙いを絞りきれなかった。
70分までプレーした金子は、ピッチを去るとそのまま清水ベンチへ向かい、平岡宏章監督と握手。感謝を示すと、試合後には清水サポーターに深々と頭を下げた。
この時、金子は途中交代して時間が経っているにもかかわらず、磐田のユニフォーム姿でやってきた。それが覚悟の大きさを感じさせた。