■槙野は古巣との対戦を楽しんだ
試合後「スケジュールを逆算しながらこの日を待っていました」と、この日の対戦を楽しみにしていたと語った槙野は、「元気な姿を見せることができて良かった」と、浦和サポーターの前でいつも通りプレーすることを恩返しとしていたが、前半の彼は良い意味でこの試合が特別なものであることを感じさせず、神戸の選手である、ということだけを示し続けていた。
浦和サポーターを、おそらくはこの日初めて直視した槙野は、1点を追いかける後半も古巣との対戦を楽しんだ。後方での冷静なボール回しとカバーリングを続けながら攻撃の機会を窺い、センターバックのコンビを組んだ小林友希をはじめチームを鼓舞し、セットプレーでアレクサンダー・ショルツと並ぶと互いにニヤリとし合った。
58分には、小林との激しい競り合いでそれまで蓄積された鬱憤を爆発させ「のどわ」をしてしまいレッドカードを受ける明本考浩を宥める場面もあった。現神戸の選手であるということと元浦和の選手であるということをどちらも楽しみ、そして自身がこの試合でどういう存在かを意識した振る舞いを見せていた。