■短すぎた東京に残された反撃の時間
前半の終盤から東京にチャンスを作られ続けていたのだから、ボランチを2人並べるのは合理的な選択だったといえよう。それだけに、鬼木監督としてはもう少し早いタイミングでこの交代を使うべきだったような気はする。
もっとも、川崎の先制ゴールが81分という時間だったことによって、東京としては反撃が難しくなってしまったという効果はあった。
もし、もっと早い時間帯に先制されていたら、アルベル・プッチ・オルトネダ監督としては交代カードも使いながら戦術的な変化を見せることができただろう。
だが、リードを奪われた東京に残された時間は10分弱しかなかった(7分11秒という長いアディショナルタイムがあったので、実際には15分以上の時間があったのだが)。
それでも、最後までよく動いたレアンドロや交代で入った紺野和也が最後まで1点を追って東京は猛攻をかけた。さらにアディショナルタイムに入ると、CBとして縦横無尽の活躍をしていたエンリケ・トレヴィザンも前線に上がった(エンリケ・トレヴィザンは、大分トリニータに所属していた昨年12月、同じく等々力陸上競技場で行われた天皇杯準決勝の延長戦のアディショナルタイムに川崎相手に同点となるヘディングシュートを決めた選手だ)。
こうして、最後まで攻撃を続けたFC東京だったが、鄭成龍の好守は最後まで続き、試合は川崎フロンターレの勝利に終わった。