J1リーグの2022年シーズンがスタートした。初戦から興味深い戦いが繰り広げられたが、3連覇を狙う川崎フロンターレをかなり苦しめたFC東京の戦いぶりも見ものだった。今季のJ1の行方に大きな影響を及ぼし得るFC東京を、サッカージャーナリスト・後藤健生が分析する。
■川崎の中盤に吸収されるようになった東京のパワー
川崎は62分に最初の交代カードを切り、前半、左サイドでチャンスを作り続けていたチャナティップとマルシーニョを退け、左サイドに知念慶を投入。塚川孝輝をボランチに入れて、大島僚太をチャナティップがいた左インサイドハーフに上げていた。そして、76分には遠野大弥をトップ下に入れ、大島と塚川の2人をボランチとした。MFの3人が逆三角形だったのを、正三角形に切り替えたのだ。
松木がいなくなったこと。そして、川崎が中盤の並びを変えたこと。これによって東京の攻撃のパワーが中盤で吸収されるようになり、またフレッシュな状態の遠野のトップ下での大きな動きで川崎の中盤が活性化した。
79分。その遠野が谷口彰悟とのワンツーでペナルティーエリア内に進入して至近距離からシュート。これはヤクブ・スウォビィクが弾いたが、その流れからCKをゲット。遠野が蹴ったCKをレアンドロ・ダミアンが頭で合わせて、ついに川崎が先制ゴールを決めることに成功した。
川崎の交代策が見事に的中したゴールだった。