■日本人選手がはいりやすい欧州のクラブ

 2017年に日本の企業が経営権を獲得したシントトロイデンは、ベルギーの1部リーグで良くて中位という、小さな町の「中小クラブ」。現在FIFAランキング1位のベルギーだが、国の小ささがネックとなって代表選手の大半は「ビッグリーグ」でプレーしており、国内リーグは経営規模も小さく、アフリカ系などの「非欧州」の選手たちの「欧州への足掛かり」のようになっている。

 なかでもシントトロイデンは日本人選手がはいりやすい環境にある。現在では、GKシュミット・ダニエル、DF橋岡大樹、DF松原后、MF香川真司、FW林大地、FW原大智と、6人もの日本人選手がプレーしている。チーム内では、ベルギー人選手(10人)に次ぐ「第2勢力」である。日本から有望な選手を獲得して欧州での次のステップに進ませることがこのクラブの方針のひとつであり、今後もこの流れは続くと見られる。

 シントトロイデンと同じようなケースを、ポルトガルのポルティモネンセでも見ることができる。こちらは日本になじみの深いブラジル人エージェントがクラブを運営しており、現在は、中島翔哉を筆頭に複数の日本人選手を擁している。

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