2022年のJリーグ開幕が迫ってきた。各チームは初戦に向けて仕上げに入っていこうとしている。
目標を達成するには、明確なゴールの設定と、そこに至る道筋の逆算が必要だ。開幕戦は確かに大事だが、リーグ戦の1試合に過ぎず、その後もチームの歩みを止めないことが肝要だ。
ぶれなく前進するために必要なJ1の各チームが追いかける「理想」と、そこにたどり着くための道のりを探る。
■帰ってきた、かつての背番号10
2年連続の2ケタ順位。しかも昨季は、降格圏と勝点6差の14位だった。日本の「サッカー王国」のクラブとして、満足できる成績ではなかった。
今一度、チームに一本の芯が欲しい。期待がかかるのが、清水で育った男たちの発奮だ。
昨季のCBコンビはヴァウドと鈴木義宜がメインだったが、ここに割って入らなければいけないのが立田悠悟だ。五輪代表世代を中心としたメンバーだったが、2019年のコパ・アメリカで日本代表としてもプレーしたDFである。ジュニアユースから清水で育てられてきた生え抜きは、今年で24歳になる。この地で生まれ育った、まさい「清水の男」として、チームをけん引しなければならない。
このオフの補強は、他クラブからの選手獲得はそれほど多くはなかったが、心強い存在が帰ってきた。かつて清水の背番号10を背負った白崎凌兵が4シーズンぶりに戻ってきたのだ。
2019年に移籍した鹿島アントラーズでの2年半は、決して満足できるものではなかったかもしれないが、常勝軍団で多くを学んだはず。もともとは攻撃的な選手だったが、守備を身につけ、戦う姿勢を備えた。こういう選手が中盤の底にいるのは心強いものだ。かつてJ2降格の悔しさも、J1復帰の喜びも知る、生え抜きではないが「清水の男」に、チームのセンターに芯を通してほしいのだ。