今年は、ワールドカップ・イヤーである。サッカー世界最強国を決める4年に1度の祭典だが、今年はさらに特別な大会となる。これまでなかった11月開幕の大会となるのだ。この「世界の祭典」が日本サッカー界に及ぼす影響について、サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。
■各監督が迫られる難しい選択
長い中断期間がないことも、リーグ戦という大会としては「本来あるべき姿」だ。
約9か月半の長いリーグ戦を戦い抜いて優勝を狙うためには、長丁場をどのように乗り切るかというビジョンが求められる。
9か月半のシーズンを通じてずっとトップ・コンディションを維持し続けることは不可能だ。開幕時に100%のコンディションでスタートして「行くところまで行くべき」と考えるのか、開幕時にはまだギアをトップには上げずにスタートして日程が厳しくなる頃にピークを迎えるのか、各監督にとっては難しい選択となることだろう。
一般的に言えば、優勝を狙うような強豪チーム。とくに、昨シーズンから大幅なメンバーの入れ替わりや監督の交代がなかったチームは、いろいろな意味で計算ができるから、開幕時にピークを持ってくる必要はない。「優勝を狙うチームは、開幕から1か月後くらいにピークを持ってくるべき」と昔から言われている。