■「ゴールは水物」だが…

 J2で得点王を獲得した翌年、いきなり調子を落とした選手はほとんどいない。むしろ、古くはマルコス(ベガルタ仙台)、ジュニーニョ川崎フロンターレ)、最近ならばレオナルドアルビレックス新潟)、ピーター・ウタカと、続くシーズンにJ1でも活躍した選手は少なくない。ゴールは水物と言われるが、その不確かなものを積み重ねられるという事実には、大きな意味がある。そう考えれば、ルキアンは計算が立つ、と考えていい。

 成功体験を積んだ組織の器を変えることなく、さらに強いチームに進化させようとしている。エミル・サロモンソンはクラブを離れたが、湯澤聖人の右サイドバックとしての本格的な一本立ちを促すか。近年、J3、J2、J1と、期限付き移籍などで戦いの場をステップアップさせてきた前嶋洋太は、湯澤と切磋琢磨する存在として最適だろう。先を見据えた補強も、クラブは施しているのだ。

 論理的な指揮官率いるチームがすべきことに、ぶれはない。ただ、すべきとおりに、足を踏み出していくだけである。

 

タスク:「トップ5入り」
達成難度:★★★☆☆

(12)へ続く
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