■「(向こうは)練習でも必ず勝ちたがる」

 新体制発表会で「(向こうは)練習でも必ず勝ちたがる。一つの勝負へのこだわりが凄く強い」と自身最初の欧州挑戦を振り返っていた彼は、このプレシーズンマッチでも勝負にこだわる姿勢を見せていた。

 それは、イコールエゴというわけではなかった。この日の鈴木は、自陣深い位置まで走ってスライディングで相手を止めてみせたり、左右に開いてボールを引き出してみせたり、とまだ万全の状態ではないチームの欠けている部分を補うプレーで鹿島を勝利に向かわせようとしていた。

 先の会見の中で鈴木は、「(ゴールという)数字だけでなく、(チームを)勝たせるプレーを率先してやりたい」とも語っており、その言葉通りの姿がそこにはあった。

PKを蹴ることをアピールする鈴木優磨 鹿島アントラーズvs水戸ホーリーホック(20220213)撮影/原壮史

 もちろん、それがストライカーらしいゴールへのこだわりに見えた場面もある。

 27分、鳥栖から加入した樋口雄太がエリア内で倒され、鹿島がPKを獲得した時のことだ。

 鈴木は主審の笛を聞いた瞬間に自身を指差し、自分が蹴ることをアピール。水戸の選手たちが判定に対して説明を求めている中、鈴木はすぐにボールを持つと決して離さず、誰にも譲らない空気を作り出した。

PHOTO GALLERY 鹿島アントラーズ対水戸ホーリーホック 20220213
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