■監督交代は既存戦力にも刺激大

 監督交代は、昨季から所属している選手たちにも大いに刺激になる。吉田豊が君臨する左サイドと裏腹に、右サイドバックは絶対的な存在がいなかった。監督交代で台頭の可能性があるのは、森下龍矢だ。昨季は交代出場が多く、本来のポジションではない左サイドハーフで起用されることもあった。だが、出場時に残したインパクトでは、宮原和也成瀬竣平に劣ってはいなかった。何よりアグレッシブさが持ち味で、長谷川監督の要求にも見合うだろう。

 最前線も、競争は激化する。1トップも2トップも考えられるが、先発候補は多い。ドーピング問題さえクリアになれば、シュヴィルツォクは国内でも屈指の存在感を放つだろう。負傷から本格的に復帰する金崎夢生に柿谷、さらに先述の酒井と、長谷川監督は選手起用にうれしい悩みを抱えるはずだ。

 もはや、ACLを戦うチームのように、大幅なローテーションを用いることさえ可能な陣容。もしかしたら、すでに来季のACLさえ見据えているのかもしれない。

 それだけのポテンシャルは、十分にある。目標はACL出場圏内。長谷川監督の戦術がはまれば、その先さえも見えてくる。

 

タスク:「ACL出場圏内」
達成難度:★★★☆☆

(10)へ続く
PHOTO GALLERY ■【画像】昨季の実績と新たな刺激の融合 名古屋グランパスの2022年シーズン理想布陣
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