■鬼木監督「新しい課題をもらった」

 昨年の同大会ではG大阪を3-2で破ったが、そのときのチームの総シュート数は90分間で15本。先発した3トップ(レアンドロ・ダミアン家長昭博三笘薫)は7本のシュートを放って、2ゴールを奪った。しかし今年は、ダミアン、家長、チャナティップの3人で放ったシュートはわずか2本。川崎対策を施した浦和を相手に、フィニッシュに至るのも困難だったことが数字にも表れている。

 20年、21年にJ1で旋風を巻き起こした川崎の自慢の“悪魔の3トップ”は、昨夏の三笘薫の移籍で得点力が減退。それでも、宮城天の台頭やマルシーニョの定着で、昨年後半戦を乗り切ったが、この日は沈黙せざるを得なかった。

 とはいえ、鬼木達監督も次々と手を打った。後半開始時点からマルシーニョを投入し、71分に知念慶、77分に小林悠が途中出場。3トップの構成を、完全に替えることで変化を起こそうと試みたが、それでもゴールを割ることはできなかった。そればかりか、3トップ全員が替わってから4分後の81分に、浦和に追加点を許してしまったのだ。

「主導権を握っているようで、多くのチャンスを作れなかった。ここで新しい課題をもらったと思っている。(試合展開を)自分たちで少し難しくしている」

 指揮官はこう振り返った。

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