■試合前に前田が何度も確認していたこと
一方、左サイドで先発した前田はそのスピードを生かすためのスペースを見出せずにいたが、後半の途中でワントップに入ってからは本領を発揮。７０分にはハーフライン付近から相手ＤＦラインの裏を衝く動き出しの良さでマット・オライリーからのパスを引き出し、そのままスピードを落とさずに相手陣内深くまで持ち込んでからの切り返しで相手ＤＦベヴィス・ムガビをかわしてシュート。シュートはムガビの脚に当たったが、そのままゴールに吸い込まれていった。
前田は、直後の７２分に左サイドに飛び出したオライリーのクロスに合わせた場面ではシュートが大きくクロスバーを越えてしまったが、その後も何度か決定機に絡んでいた。
セルティックは、両サイドからの速いクロスを多用する。相手のＧＫとＤＦの間に通す低いクロスにワントップや逆サイドの選手が飛び込むのだ。
この形はアンジェ・ポステコグルー監督が横浜Ｆ・マリノス時代にも多用していたもの。横浜は、試合前のウォームアップの時からこの形を何度も確認していたものだ。そして、前田は昨シーズンはこのクロスに合わせる形でゴールを量産してＪ１リーグの得点王を獲得した。つまり、ポステコグルー監督が狙っている形を熟知しているのだ。セルティックで、これからもワントップで起用されるケースは多くなるのではないか。
