【スコティッシュ・プレミア分析】「スコアやハイライトに残らない部分」で魅せた旗手怜央の「能力」【セルティックVSレンジャーズ「旗手怜央の抜群の存在感」】(2)の画像
ポステコグルー監督と抱き合う旗手怜央 写真:ロイター/アフロ

【スコティッシュ・プレミアリーグ セルティックvsレンジャーズ 2022年2月2日(日本時間28:45キックオフ)】

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 前半だけで2ゴール1アシスト。文句なしでMVPの活躍を見せた旗手だが、それだけではない。スコアやハイライトに残らない部分でも特筆に値する場面はある。

 たとえば30分、レンジャーズが低い位置からカウンターを発動させた場面でのことだ。

 シンプルなパスで一気にセルティックゴールに迫ったが、ここで旗手は最終ラインとキーパーの間に勢いよく戻ってみせた。結局、この場面はレンジャーズがシュートに至らずにキーパーにボールが渡ったが、運動量と嗅覚が表れた旗手らしい場面だった。

 あるいは2点目が生まれる少し前の40分。旗手が自陣での守備でスライディングによってボールを外へ出した場面だ。この時間帯は、先制後に追加点を奪えず、相手のペースに変わってしばらく経った、いわゆる嫌な時間帯・我慢の時間帯だった。緊迫しながら少しずつフラストレーションを溜め込んでいったサポーターは、このプレーで一気にそれを吐き出して大歓声を上げ、スタジアムに活気が取り戻された。プレーそのものは特別なものではなかったが、自分たちが我慢している時に勇気を与えてくれるプレーヤーであることをサポーターに感じさせた。

 これらのような、旗手にとっては当たり前のプレーでさえ、サポーターに愛されることを加速させた。

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