後藤「大迫勇也はハーフウェイラインより周辺では良い収め方をしていたけど、収めてほしい前線のエリアではボールを収められなかった。前線でボールが収まる選手として替えが効かないと言われていたけど、そこで収まらなくなっちゃった」

大住「これまでも肝心なところで久保建英がケガしたり、堂安律が来られなかったりということはあったけど、もうちょっと他の選手を信用しても良かったと思う」

後藤「でも、オリンピックに出場したメンバーから、田中碧が主力に定着したし、板倉滉も育ってきているよ。いまのメンバーで、替えが効かないのは伊東純也くらいのものじゃないかな」

■前線の速さをうまく使えていた

――あれだけ走り続けていた伊東がフル出場したというのも、森保監督の信頼の表れでしょうか。

大住「2-0とリードして後半30分を過ぎた後、浅野拓磨を入れて、前線を伊東、前田大然、浅野の3人にしたでしょ。相手が前に出てくるから裏を突けというメッセージであり、だから堂安律や久保建英ではなく、伊東のままでいこうという判断をしたんだよね。中国戦では、前田を入れたのにどうしてあんな攻めをするのかと思ったけど、この試合では前田を活かせていたよね」

後藤「速い選手を3人並べたらどうなるんだろうという、ひとつの実験になるよ。得点につながらないにしても、GKにプレスかけてタッチラインに蹴らせてしまうとか」

大住「前田のプレッシャーって、相手のボールホルダーがまだ大丈夫と思った瞬間にぐっと速度が上がるんだよね。あれは相当な圧力がかかると思う」

後藤「加速するタイミングが肝なんだろうね。まだ来ないと思っているところで急加速するから、相手は慌てる」

大住「浅野が決め切れなかったシーンでのポストプレーヤーも見事だったね」

後藤「11月のワールドカップ本大会までには、しっかりと前田を使えるようにしたいね」

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